大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3690 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人四名の弁護人山崎季治の上告趣意第一点について。

論旨は被告人Aの検察官に対する第一、二回の各供述調書及び同Bの検察官に対

する第一乃至第四回の各供述調書が「任意にされたものでない疑のある調書」であ

るということを前提として、原判決は憲法三八条に違反するものであると主張する。

しかし右の各供述調書記載の供述の任意性を疑わしめる事由は認められないから、

所論違憲の主張はその前提を欠き採用できない。その余の論旨も、右と同じ前提の

上に立つ事実誤認の主張又は単なる訴訟法違反の主張に帰着し、いずれも採用する

ことができない。

同第二点について。

論旨は量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

同第三点について。

公職選挙法二五二条の規定が憲法に違反するものでないことは、当裁判所の判例

(昭和二九年(あ)四三九号同三〇年二月九日大法廷判決)の示すとおりである。

原判決に所論のような憲法違反がないことは、右の判例に徴して明らかである。論

旨は理由がない。

被告人Bの弁護人花房多喜雄の上告趣意は事実誤認の主張に帰し適法な上告理由

とならない。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年五月三一日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!